2012/10/02

サラウンドの原理

Surroundというのは、
英語で、取り囲むという意味です。
日本語でサラウンドはそう音に取り囲まれる聞こえ方のオーディオを指すときに使われます。
サラウンドシステムで音を聞くと、たしかに、前後左右から音が自分に飛び込んできます。

サラウンドを理解する、
その前にステレオについて復習が必要です。
録音会場の真ん中にある左向き、右向きのマイクでとった音が、
それぞれ独立にLチャンネル、Rチャンネルに録音され
それぞれ独立に聴取者の前にある左右のスピーカーから流れます。

左右のマイクの開きは、録音セッティングによって様々です。

人間の耳の錯覚によって、左右のスピーカーの間から音が来ると感じる現象があります。
左右の耳に同時に、同じ音量で、同じ音が入ると、
真ん前から音が来ているように感じるのが人間の聴覚です。
こういう時はステレオスピーカーの2つの音がひとつに聞こえてしまうのです。これをファントム定位と言います。
同じようなことが、ヘッドホンでも起きます。頭の真ん中から音が出ているように感じられます。
高いステレオアンプについているバランスつまみを回すとわかりますが
左右の耳に入る音の違いによって、スピーカーから音が出たり、スピーカーの間から音が出たりします。
そこにアンプがあると、アンプそのものから音が出ているような感じがします。
小さい頃の不思議体験の一つです。(だいたいスピーカーを駆動する機械というのもわかんないかも。)

いまは、理想的なパターンとして、左右のスピーカーと聴取者の間で正三角形を作るのが
いい聞き方だとされています。が、部屋の特性や置物もあるので、実際のスピーカーの置き場所はいろいろあります。
男の空間、オーディオルームを作る人もいます。

とにかく、2つのスピーカーによって、スピーカーの間に音の空間を作り、
仮想的な舞台を作って音楽を再現するのがステレオです。
ただし、後ろからの拍手も前のスピーカーから聞こえるでしょう。

最も理解しやすいサラウンドは、リアルサラウンドとかディスクリートサラウンドと呼ばれます。
そう、マイクを増やします。
左右に並んでいるマイクに加え、前後にもマイクを置きます。
マイクのケーブルは前後も加えて4本、録音する音も4つ、スピーカーも前後左右4っつです。
ファントム定位によって、4っつのスピーカーから流れる音が合成され、音の二次元空間が出現します。
マイクをどんどん増やすこともできますが、再生するには録音する音を増やし、スピーカーも増やします。
増やすほど、臨場感は良くなりますが、どのようにするのでしょう?

5.1チャンネルなどの表記はなんでしょう。
5.1チャンネルサラウンド これは、部屋の前、左、右、左後、右後 に5こスピーカーを置きます。
前のスピーカーは、映画のセリフを再生したり、真ん前の音を本当に出すことで臨場感を上げます。
後ろのスピーカーは2つになっています。おそらく空間の雰囲気を再現するのでしょう。
普通のスピーカーで再現しづらい低音はLFEチャンネルという別の音として録音され5つのマイクの低音だけウーファーというでかいスピーカーで再生されます。
つまり、スピーカーは全部では6つになるのです。
ウーファーは低い音しか出せないので、0.1チャンネルです。
低音は聴感上というか部屋のどこでも伝わるので方向がわかりにくく、一つでいいのです。
しかし、人によってはお腹を揺らす低音こそ一番重要ではないのでしょうか?
同じように6.1、7.1、9.1、11.1チャンネルもありますが、日本の家屋においては実は5.1チャンネルで十分で、
本当は海外の大きな部屋向けらしいです。

録音する音が異常に増えてはDVDに映像が入りません。
大事な音の信号だけ残してDVDに入れて有ります。このテクノロジがドルビーサラウンドとかDTS-ESとかいうものです。
ドルビーラボラトリーズ=DOLBY、デジタルシアターシステム=dts 両社も録音から映画館のサラウンドまでサラウンドの機械は全部監督します。ライバル同士ですがいつもドルビーのほうが強いです。
映画本編の前にはほぼ必ずDOLBYかdtsの紹介があります。
ドルビーで収録された映画は、映画館で見るとちょうどセリフがスクリーンに映る俳優の口のところから聞こえるはずです。
これは視覚も作用しています。耳だけで聞くのでもないし(実は首を無意識に動かしてたりもする)、目だけで見るのでもないのです。
嘘だと思ったらもういっかい映画館へGO
低音はものすごく出るし、音が跳びまわります。
実はスクリーンの裏にも見えないけれどセンタースピーカーがある!これこそ、セリフをうまく再生する秘訣です。

余談ですが、ハリウッド映画では、人のセリフ以外のいろいろな効果音を 効果音を作るスタッフがつくることがよくあります。
なんでも実際のロケの録音はうそ臭い、作ったほうがいいのだそうで、実にうまく作ってしまいます。
この音の信号をうまく各スピーカーから鳴らす録音をしてしまう、スタッフもいます。
サラウンドシステムのメーカーから特別な装置を買って、ジョイスティックで音を振り分けます。

5.1チャンネルの6つの音を、10個のスピーカーの9.1チャンネルに直して鳴らすことができます。
サラウンドはアップミックスと言ってより多いスピーカーでもうまく鳴らすようにできるのです。
もともと9このマイクでとったほうがいいのですが、映画にも予算があります。

ところでじつは、ステレオの音を左、前、右の3つのスピーカーで鳴らすことは簡単です。
(BTLやバランス接続のアンプはできない)
ステレオ接続との違いは
左右のスピーカーのマイナスの端子を、前のスピーカーのプラスの端子につなぎ、前のスピーカーのマイナス端子をアンプのマイナスにつなぎます。
すると、アンプの右と左の音の信号が同じ時に、前のスピーカーからも音が鳴ります。
前のスピーカーの音はつまりL+Rに比例するのです。
ステレオの録音時も同じで真ん前の音は右のマイクにも左のマイクにもそっくりに入ります。
このように、ステレオでもアップミックスみたいなことができます。

ステレオをサラウンドにするというテクノロジは、
ちょっとややこしいです。これをするとCDの音の会場の後ろの拍手が後ろから聞こえます。
このへんのテクノロジーは資料が少ないし、難しいので、自説を交えます。間違っていたらコメントください。
問題は後ろの音を再現することです。
これを、かなり早くに解決した、デービッド・ハフラーという人物がいます。
彼が1971年頃に取得した特許では ステレオシステムに後ろに置く2つのスピーカーを加えます。
これには、聴取者の左後のスピーカーに左チャンネルから右チャンネルの半分を引いた信号、右後ろのスピーカーに右チャンネルから左チャンネルの半分を引いた信号を加えることが書いて有ります。
そしてこの2つのスピーカーの音を、コンサートホールの側壁(横の壁)の音と言っています。
どういうことかというと?
左チャンネル‐右チャンネル、つまりL-Rにはどういう音が入っているかというと、
ボーカル、低音など肝心な音が抜けている代わりに、録音会場の残響が入っています。
自分の説では残響は会場を巡り巡ったあとに前の壁に反射してマイクにも入ります。
そのとき、会場を巡り巡ったあとなので分散し乱れていて、左右のマイクに入るタイミングが違い、
左チャンネルと右チャンネルの音の違いになって記録されるのです。
マイクより前にある音は実は両方のマイクにそのまま向かってゆくので
左右のマイクに入る音の違いは
大きさはもちろん違ったりしますが極端な違いはありません。
観客の拍手も 前の壁に反射してマイクに入ります。この時乱れているのでL-Rになって記録されるのです。
そこでL-Rを後ろのスピーカーに送って再現するのです。
おそらくこの特許からスピーカーマトリクスという簡単なサラウンドの歴史が始まっています。検索してみてください。

現代のサラウンドより前に、1970年代初期にもブームがあり、4チャンネルステレオと呼ばれました。
ピーターシャイバーの技術や上記の技術を元に、方向性ロジック、つまり他のスピーカーの音量を下げ音の方向をはっきりする、周波数の調整、チャンネルセパレーションと言う各チャンネルをうまく分離させる技術をいれ、
数々のメーカーから様々な方式が出ました。
しかし、別の方式の機械では音がおかしくなったり、この歌手のレコードはこの方式と囲い込みをやったり、
てんてこ舞いで5年ほどでなくなりました。
この頃の反省が今のサラウンドに生きており、規格を作るのはドルビーかdtsです。
たくさんの会社の特許テクノロジーを入れて、利益を分散しているので、規格争いがありません。
方向性ロジックはすなわちドルビープロロジックIIに生きています。
quadraphonicで検索すると当時の音源(現代のプロロジックが作動するはず)や英語だが詳細なテクノロジーの説明が出ます。
Yoshii9で有名な吉井さんは4チャンネルステレオの思い出も生かしています。

モノラル音声をステレオ、サラウンドにするテクノロジーがあるけれど
これについては全く把握できません。
ネット上に一切説明がなく、特許文献はあまりにも難解です。
アマチュアが作るのは、高い音を左、低い音を右のスピーカーから流すもので、
低音楽器が右にまとまっているオーケストラはそこそこ聞けるようです。

サラウンドヘッドホンの理屈は、ちょっと違います。
人が音を感じるとき、音が頭や耳たぶにぶつかってちょっと変わって耳穴へ入るのを利用して音の方向を判断します。
なので、サラウンドヘッドホンはたとえばマイクで拾った右の音を
さもそのおとが頭や耳たぶに反射したような音に変換して、左右の耳穴に入れます。
これにはHRTFというデータと高速なコンピュータを使います。
これらは、サラウンドヘッドホンについてくる「魔法の箱」に入っています。電源も必要です。
もうひとつ、リアルサラウンドヘッドホンという、本当に耳の前後左右にスピーカーをつけるような
ヘッドホンもありますが、こちらは高音質とは限らず、
どこから音が来たのかわかりやすいのでおもにFPS、銃で戦うゲームをうまくこなすためにつかわれます。
HRTFは個人ごとの頭の形で違うので一人ひとりデータをとってそれに合わせるとすさまじい効果があるようです。
このようにHRTFは万人が同じように聞けるまで、まだまだ進化する可能性があります。

実際の今のAVアンプや映画館のサラウンドははるかに複雑です!
もっと音を良くするためにすごいことをしています。理解できません。
行列演算をバリバリ使うのでパソコンと仕組みが違う高性能なコンピュータが入っています。
このおかげでスピーカーの位置が理想からズレようが部屋の残響特性が違っていても
AVアンプは付属のマイクにつないで補正できます。
一個の細長いスピーカーで、時にそれの反対方向から音が来ているような錯覚を植えるサラウンドシステムもあり、
更に今は天井スピーカーや数百の小さなスピーカーを並べてサラウンドするとんでもない仕組みも研究されています。
すでに、ドルビーは天井にまでスピーカーをたくさんつけるドルビーアトモスを開発し、一部の映画館に導入されています。

実はサラウンドをもはや超えたシステムがすでにあります。
ホロフォニクス[検索!]
頭の形をした、バイノーラルマイクで録音し、そのままヘッドホンに送り込むバイノーラルも十分な臨場感がありますが
その録音に極秘技術の加工をして、恐ろしいぐらい臨場感のある音源を作れます。
ただし、基本はヘッドホン専用になります。普通のヘッドホンがサラウンドヘッドホンをずっと超える現象がでます。
テクノロジが謎ですがその臨場感の恐ろしさは聞く人が全員認めます。
開発者はHRTFをつかわないとか耳から特殊な音が出ているとかまとめると耳は実はレーダーだということです。
耳=レーダーはまだ今の科学では証明されていません。ますます謎です。
日本人が再現した、ISOPHONICOtophonicsはCDが出ています。
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