2014/06/28

理科離れと電子工作の衰退の原因

理科離れが問題になっています。ゲームが面白いのもあるが、
ペットボトル工作でも簡単実験セットでもない本当の科学実験がおうちでできるのだということを知らない子や、親が増えているのです。
そのなかでも入りやすいのと言ったら電子工作です。
電子回路を自分の手で構築し、テストできます。
最初はまず男子なら扱えるはんだごてと、部品一式そろったキットから、頭がよくなるにつれ、自分で回路を設計できるようになります。

ここではサイバー戦争などのスパイ作戦については(たぶん一言も)述べません。
普通の趣味としての電子工作です。

また、もう一歩進んだ趣味もあったはずです。趣味で電波を飛ばす研究をする、アマチュア無線です。
自分のうちが放送局になるのは信じられないと思いますが、周波数が違うので主にアマチュア無線同士の通信です。
これも頭がよくなるにつれ自分でアンテナを作ったり電話などへの雑音対策をしたり送信機を作って申請したりもできる、
すさまじい趣味なのです。

電子工作は結構昔からあり、アマチュア無線は欧米では真空管の普及してないときからあります。
日本では大正時代です。
どうやって電波をだすかと言うと電磁ブザーとLC共振回路とアンテナをつなぎます。
電磁ブザーの高周波ノイズがLC共振回路で一定の周波数の成分だけ送られます。
電信しかできません。が、このように自分で何とか作れるレベルなのです。
電子工作は、先進のテクノロジーが自分で出来るという凄味から生まれているのです。
なぜか初期の三極真空管が10本ものっているスーパーへテロダイン受信機には趣味の工作で真似をするぐらいなら特許料はいらないという但し書きがあるらしいです。
業界まで電子工作を応援していたようです。
テレビジョンが最初に出たころはテレビ受信機のキットや製作本が出回り、大金が必要でもやはり自分で作れるものだったようです。
これは地デジではけっして考えられない昔のNTSC方式のよさで、FMラジオでテレビ音声を受信できたし、映像信号も簡単に作れるから、8ビットのファミコンが映像を使えたのです。
ややこしいヘテロダインなどの調整はどうしたんだろう?

あらゆる趣味が子供から見向きもされなくなったのはテレビゲーム、スマホのせいにすれば一応あたります。
しかし、それを述べる前にいろいろあるだろうと思うのです。

自分の経験から言うと、
まず第一の影響は、雑誌「ラジオの製作」の、マンネリ化です。たぶんライバルの「初歩のラジオ」も。
何も知識のない人が何回かああいうの読んでも面白いかもしれない。
4回買いました。
自分はもっと面白い製作記事を探しに、近くの科学館へ「ラジオの製作」のアーカイブを見に行ったんです。
1991年から、廃刊の時期まで全部あります。
しかし、あんまりアイデアものはありませんでした。
毎号、どこかで見たような仕組みのそうラジオの製作記事などあるんですね。
で、エレガントな555AMラジオとかだといいんですが
そういう豊かな発想じゃない。普通の回路。
ゲーム回路の記事ももはや本物のゲーム機が上。
なんかラジオじゃないけど同じような記事を微妙に変えて次の年のに載せるとか。
タカオ電子のおばさんにきいても、「マンネリ化してるでしょー」とはっきりいいます。

そうして、それらの雑誌は消えてゆきましたが、
電子工作で検索しても、そういう雑誌の影響が抜けません。
使わないラジオを何十台も制作する人もいます。
電子工作で検索しても、豊かな時代にあう、豊かなアイデアはあんまり見られません。
どのサイトに行っても似たようなものを作っています。

現代の機器は作るほうですら、ユーザーなのです。つまりはほとんどの回路はICに入っており、
ICの設計エキスパートが指定した部品をくっつければ、
ラジオでも電源でも(電源装置は専門家の父曰く本当は非常に難しい)精密なデジタルテスターでもパソコンだってなんだって出来るのです。
これでは設計する楽しみがありません。キットを作っているのとあまり変わりないです。
しかも、追い打ちをかけるのが手で半田付け出来ないことです。
ラジオの製作が分厚かったころはラジオのICがかなり進化したものであっても
DIPという手で充分半田付け出来、プリント基板がなくともICピッチ基板やブレッドボードで何とかなるものでしたが、
ラジオの製作がなくなるころはロボットで半田付けをしやすいSOPが主流になりました。
基板の穴にはめ込まない、置くだけで半田づけするので手先が器用でないと、なかなか無理です。
この種の部品を扱えるICピッチ基板は細かい穴が網のように開いているので非常に高価です。
ですからSOPの部品だけ配線シールを普通の基板に貼って使います。これはトランジスタやだいたいの高性能部品もそうです。
またトランジスタや74HCなどの電子工作の定番では時代について行けません。
入門の電子回路は定番ネタが決まってから進化しなくなりました。
ラジオ、タイマー、お風呂ブザー、電球の明るさ調節、アンテナ、電源装置、モーターのチョッパ制御、定番ネタは10種類ぐらいしかなく、
それより高度な回路は一気に難しくわけのわからない目的、もしくは回路になるでしょう。
時代は電子工作をおいてけぼりにし、専門の研究所でのみ新しい製作を出来るようになります。
こうなれば、若者はより自由な創作を求めて「プログラミング」を行うようになります。
パソコンの膨大な処理能力によってなんだって出来ます。作る過程も難解でおもしろいことがあります。
とくにC++言語は普通に使われる言語でありながら、分かれば使えるがわけの分からない機能が追加されています。

アマチュア無線もだいぶ衰退しました。大学以外ではおじさんばかりのようです。
一番衰退したのはほかならぬJARLで、会員は免許を持っている人の1/5ぐらいしかいない。
どうもJARL=日本アマチュア無線連盟が腐敗している告発ホームページが出来ています。
役員が40年務めた原元会長以下いわゆる老害で、無線家のためでなく利権団体になっています。
ベリカードはなかなか配達されない、匿名性ばっちりな日本だけのD-STARデジタル通信、不透明な役員会、送信機の自作の難しさ(特に検査)、のんびり対応、手続きの複雑さ。お金はかかる。
さらにちゃんと資格を取って1kWの放送ができても、なんと監視員のわがままで取り潰しになってしまう。
それに、なぜか左巻の行動を取ります。アマチュア無線9条の会ができて、ハムフェアで堂々とブースを設ける。
またFCZ研究所のWeb雑誌CirQも無線の話でない左巻きな社説を載せてきます。インターネットアーカイブにまだPDFが残っているので、アクセスできて確認できました。
若者はしつこい反戦教育で傷ついて保守に回っているので、反りが合わない。おそらく電子科の先生とも反りが合わないのでは。
アマチュア無線では特に高周波の技術をすごいレベルで勉強でき、社会にはハイテク分野に大きなすそ野ができるメリットがあるはずです。
しかしアマチュア無線連盟の腐敗により、今では30代でもアマチュア無線ってなにそれ?になりました。
確固たる証拠はありませんがアマチュア無線連盟=反日です。日本のテクノロジの発展を阻害するための組織でしょう。
またアマチュア無線はおそらく日常会話を装う国際暗号通信のチャンネルに使われている恐れがあります。大使館にアマチュア無線部だと?
またネトウヨとネトサヨのバトルが「そうだ、難民しよう」で検索するとわかります。そのバトルの中で左巻きな人物の家が特定され、
彼のうちは500Wの超大出力局でHF帯、コールサインはJH1で始まる、送信機は9基ある、とのことです。そこにも腐敗の大きな秘密があるはずです。

壊れた電化製品が昔はうち捨てられていたことが多かった。それを勝手にもって帰り、部品を取り出して電子工作に使うのが
盛んに行われていたのが昭和です。
当時はトランジスタなどの基本的な部品が多くて、再利用が利きました。面白い特殊デバイスもありました。
いま、分解してもありきたりな部品かカスタムICばかり、小さいか再利用の効かない部品たち、さらに、
壊れているのに高値を付けるハードオフが蔓延し、ジャンク屋がなくなりました。
幸い秋葉にいかなくとも通販で部品がかえます。すごいものがたまに出てきます。

業界が電子工作を推進してきたかと言うとそれも疑問です。
2010年ぐらいまでは電子部品の企業で電子工作を推進してきたのはTDKぐらいしかないでしょう。わざわざTDKの部品を使った電子工作回路集を出していました。
さらに前には、401回路集という、電子回路のアイデアがたくさん載った本が毎年出ていたようですが、特許になっている回路まで載っていました。
しかし、いま、進んだ回路が特許切れになっても、それが世に出回るようにはなっておらず、
電子工作の分野では真空管時代からある回路がいまだに盛んに使われるようです。

大学生が勉強してくれさえすれば開発人員が揃う、それでいいのかというと疑問です。
統計的にはエキスパートしかいない環境はありえず、能力の小さい人もいっぱい出たからエキスパートが何人か出来るのです。
マスコミは理科離れを叫びつつ自分たちが理科の話題を避けていることには全く言及しません。

工業高校の教育は指示どおりにやらせることに重点が置かれており現象のおもしろさを全く無視します。
つまりなんでもいつも通り、マニュアル通りに実験回路を組んで パラメータを一定の間隔で換え、その度に数値を記録する、それだけのことなのです。
本当は実験回路の目的をはっきりし、設計することから生徒でやるべきで、そこをマニュアルにしてしまっています。
柄の悪い生徒にはそれでいいのでしょうが、自分でなにか独自の実験をはじめる力がつかないので、異常を解決しにくいし、電子工作に手を出さないし、マニュアル人間に近くなる。
さらにあるべき実験結果を最初に教えるとか、本末転倒です。
学校の教育は堅苦しく結局は単に覚えるだけであり、かえって電磁気のミステリアスに興味のある人ほど没落するのです。彼らにとって学校の授業はネタ殺しにしかなりません。そんなことをなんとも思わない数学マニアが出世します。

電磁気の現象には本当はおもしろいものがいろいろあります。電磁石だけではない。
放電、アラゴーの円盤、レモン電池、温度特性、センサー、
なにより増幅作用です。入力の小さなコイルに磁石を近づけただけで出力側のメーター針がブンとふれる、偉大な増幅作用です。
面白い授業をやってはいけないと思っているかたが多すぎて困ります。

電子の教科書も、日本のより本当は英語の本のほうがわかりやすいという人もいます。
日本の教科書で、トランジスタ回路の設計ででてくるhパラメータ。
トランジスタのhパラメータは実際hFEいがい使わないというひとは、そうアナログエンジニアだったりします。
彼はこれまで日本にないトランジスタ回路設計法の本を執筆して亡くなりました。
データシートに書いていないもので設計することを学校で教えています。
大手メーカーの子会社にいる父は、hパラメータなんて出せないよ。温度とかでよく変わるから。といいます。
全く、不確実なものでトランジスタ回路の設計ですか!
私がやったのは、B-E間のインピーダンスを算出に、エミッタとGNDの間の抵抗*hFE倍です。うまく行きます。hieはいりません。
そうそう今バイポーラトランジスタでなくMOSFETが社会を回しているのにその勉強がかなり端折ってある。

またうちらにだって電子回路を作る権利があります。大企業に独占されたら管理社会のはじまりです。
ここでネットの保守層の方々にはピンときたでしょう。
強い国だけが、テクノロジーを持てるように他の国を弱体化するのでしょう。
だから、いまのいま電子工作が盛んな国といったら、アメリカと中国に決まっています。
アメリカではMake:という雑誌を読んでガジェット(日本語ではひみつ道具と言えないか)をつくる人がいっぱいいます。展示会もある。だがそのMake:がいうには
中国で展示会をやったら、奇想天外なものがいろいろ有り、商品化を皆目指している。
なおその展示会 Maker Faire はとっくに日本上陸しています。

日本の産業についてですが、今のところですが韓国は船底の薄い船を作り、中国の激安回路モジュールでは部品を定格いっぱいまで使っているそうで、どっちもいざというときに弱くすぐ壊れます。
この2つの国が本当のものづくりを覚える前に、高信頼品でブランド力をつける必要があります。
高信頼品をつくるにはそれなりに金がかかりますが、ブランド力がついてしまうと同じ値段で同じ性能で売られてしまう。
車は誰でも使うが高信頼が求められるために日本が強い。高信頼分野を開拓しましょう。
かつて、いや今でもブランド力のあるドイツとガチンコですね。
そのために今強いのが総合電機メーカーでなくて、この部品を作って売っているという専門メーカーですが、
どうも日本の電機メーカー、日本の教育の弱体化には奇妙な側面があって、
なんと経験を積んだ幹部の意見より若者、子供の意見のほうが正しい場合が今までより多くなっているのです!
子供や若者がどんな魂なのかまで見極めると、絶対に無視するわけに行きません。

それと、科学は面白いというのを実感させないといけません。とくにかなり小さいうちから。
小さいうちはこの世でできないことがいっぱいあることを教わる時期です。だが科学を使えば切り抜けられるのです。
これを意識させることが科学リテラシーなのです。
なお別に科学の分野に進むかどうかは子供に任せましょう。

日本の電子工作でも暗いことばかりではありません。

先に述べた作る側もユーザーだという話はとりあえず基礎的な知識さえあれば、
専用ICを使って高度な回路を作れるということでもあります。
代表的なのがラジオ(ICがLMF501Tはじめ多数)、安定化電源(LM317T)、eneloopの急速充電器(MAX713)で、どれも本当はよく吟味しないと作れないものです。

測定器は新しいテクノロジについて行くために世代交代が早くなっており、
そのぶん中古品は安くなってきています。初心者には20から30年前の測定器が安いです。
またいい加減な表示でいいのなら安い測定器キットが出回りつつあります。
テスターやLCRメーターは日本製のを買いましょう。LCRメーターで中国製のは・・・実際に掴んでしまったが、機能の少ない別の品が送られて、訴えたら3000円も負けてくれたし、中を開けて半固定抵抗が6つもあった。測定器の調整で半固定抵抗など今時ありえない。
またオシロスコープも日本製の中古は頑丈ですね。接点をシリコングリスで吹いてハンダを盛り直して治った。

アマチュア無線はアンテナの研究に移っています。八木アンテナなんかより極めて小さくてフルサイズであるEH、スーパーラド、アイソトロンなどの全く新しいものが出現、受信でもPA0RDTがあっけなく広帯域を実現します。

今の電子工作には新しいフロンティアがあります。おじさんたちは知っている?
まずは超小型コンピューターを組み込んだおもしろい機械を作ることです。
ArduinoやRaspberry Pi、intel-Edisonなどのシーケンス制御のように単純な出力を持つことが出来ながら
高度なプログラミングとUSB接続、シールドというさくっと挿せる液晶や無線LAN、モーター制御の拡張機能で
いろいろな「ひみつ道具」を作ることが出来る超小型コンピューター。
プログラミングも電子回路も両方の知識を要する高度なテクノロジーです。

それから高エネルギーの実験も最近表立って公開されています。
テスラコイルをつくり周囲に雷を飛ばしたり、楽器にする奴がいます。
そこまでしなくともコッククロフト回路で1万ボルトをつくって火遊びする人がいます。
銃が好きな人は最近は大電力の部品が手に入るので、
大きなコンデンサーからコイルに一気に電気を加えることで弾丸を加速させるコイルガンを作ることが出来ます。
またアニメの影響でレールガンをつくる人がいます。ローレンツ力を使うレールガンは反動が、なく、火花をぶっ散らかすのもすごいです。
コイルガンはもう少し簡単ですが反動があり普通の銃に近いです。
これらは充電時間が必要ですがすくなくともBB弾ぐらいの威力は実現できます。しかも法規制が緩く、動画を載せても逮捕されないので、あれっ?
そういう危ない実験をとかく男をアゲたい素人がいきなり大層なIGBTやでかいコンデンサを買い、失敗しながら究める時代です。
ですからレールガンのサイトは驚くほど基礎的な話がおおい。

創造的なものでは
太陽電池、風力発電の工作もあります。真っ当なシステムを買うお金がなくとも、
電子工作の知識があればパソコンぐらいは動かせるシステムを構築できるのです。
なかには風力発電の羽ではなく発電機も自分でつくる人がいます。超低速でもなんとか発電できます。
小さな水路を水利権を持っている人の許可で借りて、水車をドボンとつけて仮設の発電機ができます。

そして本当に無謀なことをする人もいます。
それは今も昔もひとつしかありません。フリーエネルギーです。このブログのカテゴリにもあります。
意外とフリーエネルギーに対する関心はきわめて大きく、その大半が陰謀論を信じる人ですが、科学の知識はないことが多いです。
ですが海外ではなんとか作ろうとする人がアカウントの必要な掲示板を建ててアイデアを練っています。

どのような人が電子工作に向いている??
数学の得意な人はいろいろチャレンジできるが・・・むしろ進学校から有名大学の理系に進んでみて。本物の研究がしたいでしょ?
意外と電子工作ぐらいしかしない人ってできないことに憧れてやる人とか自己満足だったりしないですか?
コンピューターゲーム(ゲーム機,PC,スマホのゲーム)を禁じられている人はおすすめです。親の制限をうまくかわせます。
探究心の強い人は電子工作に寄り道してもいいでしょう。物事の本質に深く関わるのが電磁気で、つまり量子の世界の一歩手前です。
手先が器用と来たら、熱いハンダゴテを握れる信頼性の高いアクチュエータを持っているはずなので、自信が持てます。
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